勘六縁の田んぼから

三方よし。

こんばんは。今日の担当は、陽佑です。

「三方よし」という言葉をご存じでしょうか?私は、農業を始めてから知りました。

「三方よし」とは、売り手よし・買い手よし・世間よしという意味で、売り手も買い手もどちらも満足し、さらには世間(社会)にも貢献できるのがよい商売だという考え方です。

去年のはじめ、ある方に言われたことがありました。

「あなたは、三方よしじゃないじゃないか?売り手よしだけで、買い手と世間のことは全然考えてないじゃないか。あなたは「作り手」でもあるんだから、四方よしじゃないといけないんだよ」

言われたときは、「なんでそんなことを言われるんだろう」と理解できなかったし、腹が立ちました。

でも、ようやく最近になって、その意味が少しずつ理解できるようになってきました。

自然栽培をはじめたころの私は、

「自分は正しい作り方をしている。環境にもよいし、体にもよい。だから、必ず買ってくれる人はいる」

という考え方をしていました。その結果、一昨年のお米の販売にはとても苦労しました。そして、その状況で思っていたことは、

「なんでいい米作ってるのに、買ってくれないんだろう?」

でした。

今考えると、どうしようもないほど自己中心な考え方だったと思います。本田選手にこのとき会ったら、「おまえの情熱は足りているか?」と言われる状況です(笑)。(先日のブログ「サッカー選手の考えを知る」 をご覧ください)

よいお米か、よいお米じゃないかを判断するのは、あくまで買い手の方々です。私たちのお米をよいお米と評価してくれる方もいれば、有機栽培のお米をよいお米という方、減農薬のお米をよいお米という方、普通栽培のお米をよいお米という方、それぞれいます。

美味しいお米がいい、生産者の顔が見える農作物がいい、お子さんが安心して食べられるものがいい。それぞれいます。

自分中心の考え方をしていた私は、最近はこうしたことを意識するようにしています。だから、こだわって自然栽培で作ったお米でも、作った時点ではよいお米でも悪いお米でもなく、ただのお米です。お客様に評価していただいた時点で、そのお米は初めてよいお米になります。

もし評価して頂けないなら、それは誰の責任でもなく、自分の責任です。だから、まずは頑張れるだけ頑張って、美味しいお米を収穫したいです。そのためには、腰が痛くても草取りのラストスパートを頑張ろうと思います(笑)。

自分を否定されると嫌な気分になりますが、否定されるのは自分が成長出来る機会なのだなあ思います。困ったときには、本田選手のように自分を見つめ直して、「情熱は足りてるか?」と問いかけてみます。

文章だけになってしまったので、最後に写真を一枚載せます。「三方よし」と韻(いん)を踏んで、「いし」の写真です(笑)。春に耕した田んぼから、毎年石が出てくるので、拾っています。
さいのかわら

明日の土曜日は、盛岡の材木町で「よ市」があります。「そうめん振舞い」のイベントがあります。毎週行っている「よ市」、明日も元気をお届けに、そして元気を頂きに(笑)、向かいます。どうぞ、よろしくお願いします。


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