勘六縁の田んぼから

今年の作付計画(どの品種を、どの田んぼで作るか)を考える。適地適作を大切に。

こんにちは。陽佑です。

先日の裕美ブログ、干し柿が載っていました。父の大学の同級生から頂く柿で作る干し柿、本当に美味しいのです。

いつから干すのか、いつまで干すのか、そのときの気温は?、そんなポイントを見極めることで、干し柿のでき方が変わってくるのではと、毎年研究中です。外側は、一般的な干し柿の食感を残しつつ、中側はトロッとしているのが今回の干し柿で、理想的な仕上がりです。今年は暖かかったので、短い期間で干し柿になったことが、このような結果になったのではと、予想しています。

干し柿ブログを終えて、お米ブログに入ります。

今月は、今年の作付計画を作り始めています。実は、お米作りを始めた当初の数年とここ数年では、何を大切に計画を作るのか、変わってきています。

お米作りを始めた当初は、販売のことを考えて、お客さまが欲しいと言って下さるお米を中心に、作付計画を考えていました。1年目のお米の販売に苦戦した経験から、そのような考えになっていたのだと思います。そのため、数年間は、亀の尾中心の作付となっていました。

出穂期の亀の尾。

穂が出たばかりの亀の尾。明治に生まれた、日本のお米の祖先。ひとつの穂からできるお米の量が多く、穂が長い。

しかし、亀の尾では、なかなか目標の収穫量に届かないという状況が続きました。どうしたらよいのかと悩む中で、やっぱりこの土地に合ったお米作りをしないといけない、適地適作が大事なのだと考えるようになりました。

そこで、遠野4号という独自品種の生産を始めます。遠野4号は、まだ寒冷地の遠野ではお米の安定生産が難しかった昭和初期、遠野でも安定生産できるお米をということで、遠野で開発されたお米です。

出穂期の遠野4号。

穂が出たばかりの遠野4号。穂の先っぽが赤くなるのが特徴。

遠野小友の水は、稲の生育を抑えてしまう冷たさですが、遠野4号は、その中でも元気に育つ強さがあります。ただ、昨年のような暑さには弱い傾向があるかもしれないので、どのようにしたらよいのか、悩んでいます。

ササニシキは、これも適地適作の考えから、少しずつ作付面積を増やしています。以前にも、何度かチャレンジして作ってみてはいましたが、この地域で一般的に作られているお米よりも出穂の遅めのササニシキは、青いお米が多くなる傾向があり、ここでは難しいなという結論になっていました。

ところが、4年ほど前から、遠野小友の中でも、下流域にあたる地域の田んぼをお借りすることが増えてきました。もしかすると、このエリアならササニシキでも大丈夫かもと考え、作ってみたところ、大丈夫だったという経緯があります。

出穂期のササニシキ。

3品種の中でも、穂の数が多くなるササニシキ。遠野小友でも、場所を選ぶと育つことが分かりました。先輩農家さんたちが、ササニシキを選んでいる理由を、いまさらながら学んでいます。

それともうひとつ。適地適作という意味で大切にしていることは、地域性という大きなくくりだけではなく、田んぼ1枚1枚をみたときに、どの品種が適切かということを考えています。これについては、昨年の結果について1枚1枚の振り返りをしてみて、品種に改善点があるとすれば見直す、ということを繰り返しています。

自然栽培に取り組むうえで、自然から教えられることが学びの基本です。毎回、失敗をどう受け止めて、どう生かしていくのか、の繰り返しになります。受け止めきれない失敗のときも沢山ありますが(笑)、そこからどう成長するかが、ひとつの喜びです。

1月も来週で終わります。ぼ~としていると、あっという間でした(笑)。作付計画を作ったら、種もみの選別を始めます。できることは早めに、春に余裕を持って作業できるように、冬の時間を大切に過ごします。

それでは、今日もご覧いただき、ありがとうございました。

 

【勘六縁のお米】

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