ある画家の言葉「絵描きは、まず舌を切れ」
こんにちは。今日の担当は、陽佑です。いつもより、早い時間帯の更新となりました。
今朝の岩手日報によると、大雪による農業の被害額が、全国で270億円にのぼるとのことでした。まだまだ増える見込みのようです。同じ農家として、他人事ではないなと感じています。
農業が、他の産業と比較して大きく違う点は、「自然を直接利用している」ことです。自然を相手にしているため、コントロールできない要素が出てきます。
そのため、いまの農業の考え方には、「自然をどう考えるか」という視点でみると、大きく2つあると思います。
ひとつは、自然の影響を受けないような仕組みを作り、安定的な生産を図る方法。水耕栽培などは、このような考え方だと思います。
もうひとつは、自然からの影響は仕方のないこと、ありうることと考え、自然とうまく付き合いながら安定的な生産を図る方法。
どちらがよいかは、分かりません。どちらの方法も、将来のことを考えると、必要なことなのかもしれません。
私たちが取り組む自然栽培は、後者の考え方です。自然栽培には、「自然尊重」・「自然規範」・「自然順応」という3つの理念があります。自然と尊び、自然を手本にして、自然の中で生きる。
3年間、無肥料・無農薬の自然栽培でお米を作りましたが、まだまだ自然に翻弄されっぱなしです。もっと自然からの影響を学びながら、自然の中でお米作りできるようにしていきたいです。
先日、父から教えてもらった言葉があります。
「絵描きは、まず舌を切れ」
ちょっとびっくりしてしまう表現ですが、絵描きは、自分の作品を語って表現するのではなく、作品そのものが語っているようなものを作れ、そんなことを意味しているようです。
「農家は、まず○○を切れ」と表現するなら、なんだろうと想像してみました。
自分からお米を美味しいと言わなくても、食べた人が「感動するほど美味しい!」と感じるぐらいになれば、一流の農家なのかなと思いました。
そのため、
「農家は、まず舌を切れ、でもいんじゃない?」
と裕美氏に言ったところ、
「食べられないからだめじゃない?」
と却下されました(笑)。
本当なら、こうしてブログを書かなくても、食べて頂くだけでお客様に理解してもらえるようになれば、一流なのだと思います。
ということで、私はまだまだ三流です。
三流なので、ブログは書き続けますが(笑)、「言葉」ではなく、「お米」で語ることのできる、そんな一流の農家に、いつかなりたいです。
写真は、家の近くにある湧水です。料理や飲み水に使っています。ちょっとハードルが高いかもしれませんが、いつか、この地域で育ったお米と水を一緒にお送りして、召し上がって頂きたいと考えています。
それでは、今日もご覧いただき、ありがとうございました。