勘六縁の田んぼから

被災地(大槌町)の現状

3月19日から22日までの4日間、遠野市で募集している災害ボランティアに参加してきました。

遠野市は、被害の大きい沿岸地域の隣に位置します。そのため、避難してくる方の受け入れと、大船渡市、釜石市、大槌町、山田町へ物資を供給するための中継地になっており、サーカー場などで物資を集め、必要な物資を沿岸地域に供給しています。

ボランティアの仕事は、避難してきた方のご飯の準備など、体育館や室内サッカー場での物資の搬入・搬出作業です。

僕は、遠野のサッカー場で物資の搬入・搬出作業と、直接大槌町に物資を届ける仕事をしてきました。

僕が感じた、大槌町の現状を伝えたいと思います。

大槌町は、人口が1万5千人の小さな町ですが、23日現在で、死者が463人、行方不明者が1032人(岩手県災害対策本部より)で、死者と行方不明者を合わせると、人口の約1割もの数になります。

物資の供給体制は、様々あると思いますが、遠野市の供給体制は、いったん遠野市に物資を集め、必要な物資を各自治体の物資倉庫、一か所に持っていくというものです。被害に合った自治体が、集めた物資をそれぞれの避難所に持っていきます。

僕がボランティアした4日間のうち、最初の2日間は、各自治体に集まった物資が、避難所まで届いていないというのが課題でした。ガソリン不足が、大きな理由です。そこで、遠野市では、全部の避難所ではないですが、避難所まで物資を届けるようになりました。

そのため、僕が見てきた、大槌町の避難所に関しては、物資の供給は、ある程度、足りている状況になってきています。これは、遠野市の職員の方々が、地震直後から、全員ずっと休みなしで働いていることがとても大きいと思います。みなさん、本当にお疲れさまです。

ただ、一昨日に行った避難所付近で、まだ家が残っていて、そこで生活している方からは、物資が届いていないというお話を聞きました。親戚などが来てくれて、今までは生活出来ていたけど、ずっとはもたないとおっしゃっていました。避難所に行っても、貰えないこともあるし、家がある分、我慢しなければいけないと思ってしまう、というお話でした。家が残っている方に、どう物資を届けるかは、今後の課題かもしれません。

写真は、勝手に載せてしまいましたが、薪を燃料に、料理をしたり、お湯を沸かして体を拭いたりなど出来るようにと、U字溝で作ったものです。県庁の方の発案で作ったもので、避難所で必要な所に置いて来ました。薪は、抵抗がありますが、津波で潰された民家の木材を使います。

電気やガスがなく、灯油もない避難所では、外になってしまいますが、暖をとれるだろうし、料理にも使えます。また、県庁の方は、それも大事だけど、薪を運んできたり、割ったり、火をつけることは仕事になるだろうし、みんな集まることでコミュニケーションにつながるから、精神的なケアになるという意図を持っていました。食料や衣類などの物資がある程度足りているところでは、この様な精神的なケアを意識した取り組みも、避難している方が求めるならば、必要なことかもしれません。

今回のボランティアで、僕が感じたことは、支援しようという方が本当にたくさんいるということです。また、避難所に行ってみると、足りないものはたくさんあると思いますが、ある程度落ち着いて生活しているなと感じました。もちろん、決して明るい雰囲気ではありませんが。ある避難所では、「冷凍していたアワビを使って、アワビご飯作ったから持ってけ」と言われて、頂いたりしました。避難所の方々は、僕が想像していたよりも、ずっとたくましくて、逆に僕が元気を貰いました。

だから、みんなが少しずつ協力し合えば、きっと大丈夫です。

僕は、美味しくて安全なお米を作ること、時間があるときはボランティアに参加すること、小さなことかもしれませんが、このふたつを頑張ります。


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